カテゴリー:暮らし
普段から自然が好きでよくキャンプしに行く私たちですが、これまで今ある自然の有り難みについてあまり深く考えたことはありませんでした。近年は異常気象が増えたり、日本でもレジ袋がついに有料化するなど地球環境に配慮した動きも見られ、"エシカル(ethical:倫理的な)"や"サステナブル(sustainable:持続可能な)"などのワードも話題になったりして環境問題について考える機会が増えたように思います。
私もたまたまNETFLIXのドキュメンタリー番組を見て興味をもち、いろいろと調べていくうちに、このままでは地球の存続も危ないのではないかと強い危機感を覚えるようになりました。そのなかでも衝撃を受けたのは、"生命の源"ともいえる世界の海が度重なる乱獲やサンゴ礁の衰退などが原因で既に瀕死の状態であることです。このままでは2050年には魚もいなくなってしまうとも言われていて、肉よりも魚派である私たちにとってはショックが大きすぎました。
また、気候変動の原因のひとつとして二酸化炭素(CO2)は有名でその排出量の多さでは火力発電などの石油産業が悪者としてよくあげられますが、実は畜産業も温室効果ガス排出量は全体の14%を構成するといい地球上全ての交通手段が排出する量よりも多いほどで、さらに飼料作物(家畜のえさ)の栽培するための畑の確保に大規模な森林破壊をしており、全体の80%以上の原因になっているということも知りました。
この地球で過ごしている全ての人にとって、知らなかったでは済まないと思います。このままではいけない!そこで、自分たちにできることはないかと辿り着いたのがVegan(ヴィーガン、ビーガン)でした。
Veganは"完全菜食主義者"と訳されることが多く、基本的に肉・魚・卵・乳製品などのいわゆる動物性食品を食べない人のことをそう呼びます。
肉・魚を食べないとするベジタリアン(菜食主義者)と混同されがちですが、☆おまけ☆で後述したように、実はベジタリアンには様々な種類がありVeganはそのひとつなのです。
ベジタリアンは、ラテン語で「健全な・新鮮な・活力のある」という意味のvegetusが語源となっており、1847年に創設された英国ベジタリアン協会で広まったとされています。それ以降、「肉を食べない人」の総称としてベジタリアンという言葉が使われるようになりました。
野菜という意味のvegetableが語源じゃなかったんですね。
その後、イギリスのレスター・ベジタリアン協会に所属していたドナルド・ワトソン氏が卵と乳製品を口にするベジタリアンの定義に違和感を持ち、「植物性食品のみを食べる人」という意味の新しい言葉"Vegan"を作ったとされています。そして1944年、Vegan協会が創設されました。
ここで大事なのは、Veganの人たちは、動物の権利というものを大切にしていて、動物から搾取することをやめようとする考え方をもっています。そのため、蜂から搾取するという意味で、はちみつも口にしないと言われています。
ちなみに、肉・魚などを意図的に食べない食生活は、古代ギリシャの時代からすでに存在したと考えられているそうです。歴史は長いんですね。
肉・魚・卵・動物性乳製品・はちみつを口にしないいわゆる“ビーガン”とそれに加えて※五葷(ごくん)も口にしないビーガンを“オリエンタル・ビーガン”と分けて呼んだりするそうです。台湾や日本の質素な料理として知られる精進料理も五葷を食べないというので、オリエンタル・ビーガンに似ていますね。表にするとこんな感じ。
野菜 | 五葷 | 肉 | 魚 | 乳 | 卵 | はちみつ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ビーガン | ◯ | ◯ | × | × | × | × | × |
オリエンタル・ビーガン | ◯ | × | × | × | × | × | × |
※五葷とは、ねぎ・たまねぎ・にんにく・にら・らっきょうのことをいいます。
さらに、どのようないきさつで、あるいは主にどういった意志をもつかで次の3つに大別されます。
① エシカル・ビーガン
一番厳格なビーガンとも言われています。動物愛護の思想が強く動物の権利に重きを置いているため、衣食住の全てにおいて動物性が使われるものを避けて生活しています。レザーや毛皮などを使った衣類や小物類も持たず、製造過程で動物性が使われているものも避ける人もいるなど徹底しています。
② エンバイロメンタル・ビーガン
家畜がアマゾン森林伐採の主要因になっているという観点から、地球温暖化が自然災害に多大な影響を与えていることを懸念して、環境保全を目的としています。
③ ダイエタリー・ビーガン
健康重視で、食事のみに気を遣いビーガンを貫いています。食用以外ではファッションなど動物性のものも使用するようです。
今回調べてみて、一言でベジタリアンといっても、いろいろな種類があることがわかりました。(細分化すると全部で18種類!)
いくつか表にまとめてみましたので、よければこちらもご覧ください。
野菜 | 五葷 | 肉 | 魚 | 乳 | 卵 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ラクト・ベジタリン | ◯ | ◯ | × | × | ◯ | × |
ラクト・オボ・ベジタリン | ◯ | ◯ | × | × | ◯ | ◯ |
オボ・ベジタリアン | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ |
ペスコ・ベジタリン | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ |
ポーヨー・ベジタリアン | ◯ | ◯ | △ | × | ◯ | ◯ |
フルータリアン | × | × | × | × | × | × |
ラクトは乳製品、オボは卵、ペスコはラクト・オボに加えて魚介類も、ポーヨーはラクト・オボに加えて鶏肉のみを食べるベジタリアンです。
フルータリアンは、果物・ナッツ類など木に実る食べ物だけを食べます。植物を死なせないという考えのため、収穫したら終わりという野菜は食べないということです。
ベジタリアン(菜食主義者)ではないけれど、似ている生活をする人もいます。
■フレキシタリアン:意識的に動物性食品の消費を減らす生活を送る人(いわゆる「ゆるベジ」を行う人のこと)
■マクロビオティック:旬のものをバランスよく食べて、長生きしようとする人。魚は骨、野菜は皮まで食べるそうです。
Long Life Journeyでは、今後もためになる情報発信を続けていきます。よろしければ定期的にチェックしてみてください。